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「130万円の壁」が変わる?一時的に超えても扶養内に

派遣社員の中には、「家族の扶養から外れないように」と、年収の壁を意識した働き方をする方が多くいらっしゃいます。
現在では、年収の壁を越えて働くと、税金や社会保険料の支払いによって、逆に手取りが減ってしまうことがあります。
そのような状況から、「年収を調整するために仕事をセーブする」という方も少なくありません。
そこで、2023年に政府は「年収の壁・支援強化パッケージ」を公表しました。
ニュース等で「年収の壁が緩和される」「130万を超えても扶養から外れない」という情報を見聞きした方も多いのではないでしょうか。
今回は、その中でも、いわゆる「130万円の壁」の見直し内容について、ご紹介していきたいと思います。
「年収の壁・支援強化パッケージ」によって、派遣の働き方はどう変わるのでしょうか。

130万円の壁とは?

130万円の壁とは、年収が130万円以上になり、家族の扶養から外れて、自分で社会保険等に加入することを指します。
社会保険料を自分で支払うことになると、手取りは大きく減ってしまいます。
社会保険料を支払うことで減った手取りを補うためには、働く時間をかなり増やす必要があります。
そのため、冒頭でもふれたように、「家族の扶養から外れないように仕事をセーブしよう」と考える方が多いのが現状です。
この年収の壁が、派遣で働く方にとっても、働き控えや就業調整の大きな原因になっています。
そこで、年収の壁を意識せずに働ける環境づくりを支援するために、「年収の壁・支援強化パッケージ」が発表されました。

130万円の壁の緩和

「年収の壁・支援強化パッケージ」では、特例的な処置として「事業主の証明による被扶養者認定の円滑化」が設置されました。
繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能となる仕組みです。
例えば、被扶養者の年収が130万円を超えた場合でも、事業主が「一時的な収入の増加である」と証明すれば、扶養を外れることなく働き続けることができます。
この制度は、2023年10月以降の被扶養者認定、および被扶養者の収入確認から適用されます。
では、制度の対象となる条件と注意点を詳しくご紹介していきます。

① 一時的な収入変動

今回の措置には、「一時的な収入変動」がどのくらいまで認められるのか、上限額は設定されていません。
ただし、あくまでも「一時的な」収入の増加であることが重要です。
一時的な収入増加の要因として、主に「残業手当」や「臨時的に支払われる繁忙期手当」が想定されています。
具体的には、他の従業員の退職や休職によって業務量が増加したケースや、業務の受注が好調だったことによって事業所全体の業務量が増加したケースなどが考えられます。
一方で、基本給が上がったケースや、恒常的な手当てが新設されたケースなど、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合は、一時的な収入増加とは認められません。

② 連続2回まで

今回の措置は、あくまでも「一時的な事情」として認定するため、同一の者について、原則として、連続2回まで「一時的な収入変動」を認めることになっています。
例えば、被扶養者の収入確認が年1回実施されている場合は、連続する2年間の収入確認において、「一時的に130万円を超えている事業主証明」を用いると連続2回とカウントされます。

③ フリーランス・個人事業主は対象外

今回の措置は、事業主の人手不足に伴う一時的な収入変動を対象としています。
そのため、フリーランスや自営業など特定の事業主と雇用関係にない場合は、対象になりません。
なお、フリーランスや自営業者としての収入と、事業主からの給与収入の両方がある方は、給与収入が「一時的な収入変動」で増加した場合は、対象になります。
例えば、自営業の方が副業として派遣で働いている場合、派遣社員としての収入が一時的に増加したケースは、対象になります。

年収の壁は今後どうなる?

今回の措置によって、一時的に年収130万円以上になっても、家族の扶養から外れることなく働くことが可能になりましたが、現状として「130万円の壁」がなくなったわけではありません。
「年収の壁・支援強化パッケージ」は、いわゆる「年収の壁」の当面の対応として導入するものであり、さらなる制度の見直しが予定されています。
政府は、「年収の壁」の抜本的な対策に乗り出すとしていますが、最終的にどのような制度になるかはまだ分かっていませんので、今後の動きにも注目しておきましょう。