派遣で仕事をスタートするときには、「どこの派遣会社からどの派遣先に派遣されるか」や、「どのような仕事で、どんな働き方をするか」などの、働く上で大切なことが記載された書類を派遣会社から受け取ります。
それが、今回ご紹介する「就業条件明示書」です。
就業条件明示書には、基本的な契約内容や就業の条件が記載さているだけではなく、「福利厚生」や「困ったときは誰に相談するか」などの様々な情報が記載されています。
就業条件明示書は、派遣の仕事をスタートするときや、派遣先が変わったときに発行されるもので、派遣の仕事をしていくにあたってとても大切な書類です。
そこで今回は、「就業条件明示書の確認ポイント」をご紹介していきたいと思います。
記載項目の多い書類なので、ついつい確認を怠ってしまいがちですが、後々トラブルにならないためにも、受け取った際にしっかりと確認をしておきましょう。
就業条件明示書とは？
就業条件明示書とは、派遣社員に明示されるべき契約内容や就業条件が記載された書類です。
もしかすると、自分の認識とは異なる内容が書かれているかもしれないので、仕事を開始する前にしっかりと目を通しておきましょう。
就業条件明示書には、大きく分けて３つのことが書かれています。
それは、「派遣先について」と「派遣元について」と「就業条件について」です。
各派遣会社によって、就業条件明示書の様式は様々ですが、記載されている内容はだいたい同じなので、これからご紹介するポイントを参考に、就業条件明示書の内容を確認してみましょう。
「派遣先」についての記載
派遣先については、事業所の名称・所在地・就業部署など、派遣される先の企業の情報が書かれています。
就業場所や就業部署は、仕事紹介時に説明された内容と相違がないか、職場見学で見に行った場所と同じかどうか確認しておきましょう。
また、仕事の指示を出す「指揮令者」や、「派遣先責任者」「苦情処理申出先」など、いわゆる上司に当たる方の名前も記載されているので、いざという時に誰に相談するのかを把握しておきましょう。
もし気になるようであれば、職場見学でお会いした方かどうかなど、派遣会社の担当者に確認することもできます。
「派遣元」についての記載
派遣元については、自分が雇用されている派遣会社についての情報が記載されています。
派遣会社の名称・所在地・派遣元責任者・苦情処理申出先などが書かれていますので、困ったことがあったときに相談できるように確認しておきましょう。
「就業条件」についての記載
就業条件についての項目は、業務内容や賃金など、多くの重要な情報が記載されています。
後々トラブルにならないよう、最も注意して確認すべき項目です。
下記「就業条件チェック項目」を参考に、派遣会社から事前に聞いている内容と、就業条件明示書に記載されている内容が一致するかを確認してみましょう。
もし、自分が把握している内容と明示書に記載されている内容が一つでも異なる場合は、派遣会社に必ず問い合わせましましょう。
また、契約解除の場合の措置や福利厚生についても記載されていますので、目を通しておきましょう。
就業条件チェック項目
・業務内容
・派遣期間
・就業時間（休憩時間）
・就業曜日（休日）
・時間外勤務の有無
・賃金（昇給・賞与・退職金）
・給与支払日
就業条件明示書と雇用契約書の違い
「就業条件明示書」と似た書類に、「雇用契約書」があります。
両者の違いは、就業条件明示書は、派遣会社が派遣社員に対して一方的に提示するものであるのに対し、雇用契約書は、派遣会社と派遣社員とが「労働条件についてお互いに合意したこと」を証明するための書類です。
そのほか、就業条件明示書では、「派遣期間」が明示されますが、雇用契約書では「契約期間」が明示されるという違いもあります。
そのため、契約期間中に派遣先が変わった場合は、「就業条件明示書のみ」が発行されるケースが多いようです。
まとめ
就業条件明示書は必ず目を通しましょう。
就業条件明示書には、派遣社員の就業に関わる重要な情報が記載されています
定期的に派遣の契約更新をしている方でも、就業条件明示書が発行されたら、その都度記載内容を確認することをおすすめします。
