毎年、年末が近づくと派遣社員の方も年末調整を行う時期になります。
年末調整の書類は複雑で、そのときの状況によって提出書類も異なるため、「必要書類が分からなくなる」という方も多いのではないでしょうか。
適切に年末調整を受けるためには、利用できる控除を知っておくだけではなく、必要書類を漏れなく用意することも大切です。
そこで今回は、年末調整の必要な添付書類についてご説明していきたいと思います。
年末調整の締め切り前に慌てることがないよう、事前にできる準備を進めておきましょう。
年末調整とは?
年末調整とは、給与から天引きされた所得税を正しい税額に再計算して、精算する手続きです。
実は、毎月給与から天引きされている所得税は概算で、正確な金額ではありません。
そこで、年末に年末調整を行い、「給与から天引きされた税額」が「本来の正確な税額」と同じになるように精算をします。
天引きされた所得税が、本来納付するべき額より少なければ、追加で税金を納付する必要があり、逆に払いすぎている場合は、その差額が戻ってきます。
年末調整の添付書類
年末調整は紙に手書きするのが一般的でしたが、近年、国が年末調整手続きの電子化を推進していることから、システム上での申告を求める会社も増えてきています。
年末調整の電子化は、申告だけではなく、添付書類もデータで提出する「完全電子化」の場合もあれば、添付書類の原本は別途書面で提出する「一部電子化」の場合もあります。
所属している派遣会社が、どのような形式で年末調整を行っているか、派遣会社から来る年末調整の案内をよく確認しましょう。
なお、紙で提出する場合も、電子申告する場合も、必要になる書類の内容自体は変わりません。
どのような書類を準備しておけばいいかご紹介していきますので、年末調整の準備のために参考にしてください。
前職の源泉徴収票
1年の間で転職している場合は、前の職場から受け取った「源泉徴収票」は必ず必要になります。
年末調整は、1年間の所得をまとめて申告するため、前職で得た給与を含めて所得税を計算しなければなりません。
前の職場の源泉徴収票が見当たらない場合は、早めに前の職場に発行(再発行)を依頼しましょう。
発行にどのくらい時間がかかるかは、各会社によって異なるので、なるべく早く前の職場に依頼することをおすすめします。
源泉徴収票の発行が間に合わない場合、自分で確定申告をしなければならない可能性があります。
保険料の控除証明書
生命保険(一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険)、地震保険、社会保険(国民年金保険・国民健康保険)などの保険料を支払っており、保険料控除を申告する場合は、保険料控除証明書を提出する必要があります。
郵送の場合、10月頃から証明書が送られて来ることが多いため、年末調整の時期まで大切に保管しましょう。ファイルなどにまとめて一か所に保管するのがおすすめです。
インターネットを使って控除証明書をダウンロードする場合は、自分の入っている保険の種類をきちんと把握し、必要に応じてマイナポータルとの連携を行いましょう。
年の途中で保険に入った場合や、社会保険料を支払った時期によっては、控除証明書の発行が遅れることがあるので注意が必要です。
控除証明書の発行時期や代わりの証明書の発行の有無などを、事前に確認しておきましょう。
その他の事前準備
扶養親族がいる方は、扶養親族の状況や年間所得によって、年末調整時点で扶養の対象かどうかと、来年も扶養の対象になるかどうかを把握しておきましょう。
扶養親族となる条件は、年齢や合計所得金額、生計が同一かどうかなどによって決まります。
年の途中で別居や就職など、扶養親族の方の状況に変化があったときは、特に注意しておきましょう。
また、扶養親族に収入がある場合は、所得の見込額を把握しておく必要があります。
パート・アルバイトなどの給与収入や、公的年金などの今年の見込額と、来年の見込額を計算しておきましょう。
法令上、生計を同一にしていることや所得の見込額を証明する書類を提出する必要はありませんが、会社によっては、証明書類のコピーや提示を求められることもあります。
まとめ
年末調整で受けようとする控除の種類によって、添付すべき書類も変わります。
提出期限に間に合うよう、余裕を持って準備を進めましょう!