前回の記事では、「派遣社員も契約内容によっては残業がある」ということをご紹介しました。
では、派遣社員が残業を頼まれた場合、どのような対応すればいいのでしょうか?
ご自分の契約内容を把握した上で、残業を頼まれた場合には適切な対応が取れるように、整理しておきましょう。
また、残業のことで無用なトラブルを避けるためには、そもそも仕事探しの時点から気を付けておくことが一番です。
残業でトラブルにならないための、仕事選びのポイントもご紹介していおきたいと思います。
残業を断ってもいい場合
契約の時点で「残業なし」と明記されている場合は、当然断る権利があります。
ただ、派遣先の方全員が個々の雇用条件を把握しているわけではないので、「最初から残業なしの契約なので残業ができない」ということを伝えましょう。
仕事の意欲がないと見られてしまっては、今後の人間関係や雇用関係に支障が出てしまう可能性もあります。
また、派遣の仕事は、個人対企業ではなく、派遣会社対企業の契約です。
「残業なし」の契約にも関わらず残業を頼まれたら場合は、その場の雰囲気や自分の判断で即答するのではなく、派遣会社にきちんと確認を取りましょう。
残業を断らない方がいい場合
契約の時点で「残業あり」となっている場合は、残業があることを理解して入社しているものとみなされます。
法律上も契約上も残業が認められているため、基本的には残業を断れないと考えた方がいいでしょう。
単に「残業したくない」という理由で残業を断るべきではなく、体調不良やどうしても外せない用事がない限りは、柔軟に対応しましょう。
「残業あり」で契約したにも関わらず、残業を断り続けていると、派遣先企業や派遣会社の信用を失ってしまう恐れがあります。信用が低下してしまうと、派遣先企業との契約更新や、その後の派遣会社との関係に影響が出てしまう可能性もあります。
仕事探しのポイント
残業のことでトラブルにならないためには、仕事探しの時点から、明確に自分の勤務条件を伝えておくことが大切です。
特に残業時間に制限のある方は、以下のポイントを参考に、残業の有無を慎重に確認しましょう。
残業は全くできない場合
何らかの事情で全く残業ができない場合は、「残業なし」を絶対条件として仕事探しをしましょう。
契約で「残業なし」が明記されていない場合や、派遣会社も残業の実態を把握しきれていない場合は、必ず派遣会社から派遣先企業に確認してもらいましょう。
支障がなければ、残業できない理由も伝えておくといいかもしれません。
残業時間に限りがある場合
子育てや介護などで時間に縛りのある方は、「一日に○時間しか残業できない」という条件を明確にしておきましょう。
この場合も支障がなければ、「○時に保育園のお迎えがある」など具体的に事情を伝えておくといいでしょう。
派遣会社と派遣先に残業の条件を伝えて、「それでもいいので働いてください」となれば、残業時間を配慮してもらうことが期待できます。
「ほとんど残業はない」は注意!
仕事の説明の際、「ほとんど残業はない」と言われることがありますが、「それなら大丈夫かな」と気軽に考えてしまうのはトラブルの元です。
残業時間や繁忙期の時期は、できるだけ具体的に確認しましょう。その上で自分に可能な範囲かを検討してみてください。
「ほとんどない=少しはある」という心構えが必要です。
残業事情はしっかり確認しておこう
派遣社員にとっても、仕事をしていく上で、残業は避けて通れない問題です。
無用なトラブルにならないよう、仕事を決める前に残業事情をしっかり確認し、ご自分の契約内容を把握しておきましょう。
もし、実際に働く中で、あまりにも事前の情報と残業事情が違うようであれば、一度派遣会社に相談してみましょう。