派遣で働いていると、仕事をしているうちに、「聞いていた仕事内容と違う…」と思ったことはありませんか？
働く前の想像と現実のギャップはよくあることですが、頼まれた仕事が「明らかに自分の仕事の範囲外？」となれば、話は違ってきます。
なぜなら、派遣社員の業務内容は、あらかじめ契約で決まっているからです。
では、派遣社員が契約の範囲外の仕事を頼まれた場合、どう対処すればいいのでしょうか？
断るべきか、引き受けるべきか、引き受けるとしたらどの範囲までか、判断に迷うことも多いのではないかと思います。
こういったことは、ハッキリとした線引きが難しい問題ではありますが、誰にでも起こり得る事態ですので、困った際の参考にしていただければと思います。
派遣の業務内容は契約で決まっている
派遣社員の業務内容は、あらかじめ契約で決まっています。
一般的には、派遣先が決まり、派遣会社と雇用契約を結ぶ際の契約書に、「業務内容」が記載されています。
契約書をもらったら、業務内容が自分の理解しているものと相違ないか、必ず確認をしておきましょう。業務内容については、口頭で説明を受けると満足してしまいがちですが、働き出してからのトラブルを避けるためにも、契約書を元にしっかり確認しておくことが大切です。
契約にない仕事は断っていい？
派遣社員の業務内容があらかじめ契約で決まっていると言うことは、契約外の仕事は「契約違反」になりますので、断っても問題はありません。
例えば、「事務なのに営業を頼まれた」といった全然違う業務の場合や、「本社のはずが関連工場勤務」といった勤務地が違う場合などは、明らかに契約違反です。契約書の業務内容と照らし合わせて、冷静に判断しましょう。
そのためにも、やはり前述の通り、事前にできるだけ誤解のないように「業務内容」を確認しておくことが大切になります。
自分がやりたかったら断らなくてもいい？
契約外の仕事と分かっていても、「できるからやってしまおう」「積極的に他の仕事にも関わりたい！」という気持ちで、引き受けてしまう場合もあるかもしれません。
しかし、他に派遣仲間がいる場合は、配慮が必要ではないでしょうか。誰か一人が契約外の仕事を引き受けると、他の派遣社員にも影響が出てしまう可能性があります。自分一人のことだけではなく、職場全体のことを考える視点を持ちましょう。
また、契約外の仕事で大きなミスをしてしまった場合のリスクも頭に置いておきましょう。
契約外の仕事をして、派遣先に損害を与えてしまえば、様々な面でかなり面倒なことになるのは想像ができます。契約外の仕事を断ることは、ご自身を守ることにも繫がると言えるでしょう。
「契約の範囲」はどこまで？
「明らかな契約違反」は断るべきと判断できますが、実際に多くの方が悩まれるのは、「契約の範囲がどこまでか」という問題かもしれません。
契約書の業務内容は、「○○及びそれに付随する業務」「○○及び関連業務」などで、ほとんどの場合、仕事内容が事細かく記載されているわけではありません。
そのため、「関連業務」にはどこまでが含まれるのか、どこまで引き受けていいのか、という判断に迷ってしまうケースも多いのではないでしょうか。
そんな時、自分で判断がつかなければ、状況に応じて、上司や先輩派遣社員に相談をしましょう。または、職場で言い出しにくいことは、派遣会社に相談するという手もあります。
派遣会社に相談ができるのは、派遣で働くメリットのひとつです。派遣会社から派遣先に話を通してもらえることもあるかもしれませんし、第三者の視点で適切なアドバイスをもらえることもあると思います。
常態化してきたら要注意！
仕事をしている中では、契約外の仕事でも、その場の状況に応じて引き受けなければならないことも、たまにはあると思います。臨機応変な対応ができるのは、とてもいいことだと思います。
しかし、それが常態化して、当たり前のように仕事を割り振られるようになったら、要注意です。「明らかな契約違反」の場合は勇気を持って断ることも大切ではないでしょうか。
そして、迷った時は一人で抱え込まずに、先輩や派遣会社などに相談して、引き受けるかどうか慎重に判断しましょう。
