派遣で働く皆さんは、給与明細を見たときに、「健康保険料・介護保険料・厚生年金保険って何だろう?」と思ったことはありませんか?
なんとなく「社会保険料が引かれている」ということは分かっても、それぞれがどんな役割を持っているのかは、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
特に「介護保険料」については、健康保険でも厚生年金でもないなら、「いったい何のために払っているの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、社会保険の中でも、最も馴染みのない「介護保険料」についてご紹介していきたいと思います。
介護保険制度とは?
介護保険制度とは、介護が必要な人を社会全体で支えるための仕組みです。
本格的な高齢社会を迎えるにあたり、現状の制度では支えきれなくなる介護費用の負担に対処するため、2004年に作られました。
40歳以上の健康保険加入者全員に、介護保険への加入と保険料の負担が義務付けられています。
介護を必要とする人が、少ない負担で介護サービスを受けられるよう、皆で保険料を負担して、必要な方に給付する仕組みとなっています。
介護保険者の区分
介護保険では、被保険者(介護サービスを受けられる人)を、年齢で2つに区分しています。
介護保険第1号被保険者 … 65歳以上の方
介護保険第2号被保険者 … 40歳以上65歳未満の医療保険加入者
介護保険料はいつから徴収される?
介護保険料は、介護保険の第2号被保険者となった、「満40歳に達したとき」から保険料の支払いが発生します。
「満40歳に達したとき」とは、「40歳の誕生日の前日」のことであり、その日が属する月から介護保険料が徴収されることになります。
なお、誕生日が1日の人は、「40歳の誕生日の前日」が前の月になるため、「誕生月の前月」から徴収されます。
保険料は、第2号被保険者(40歳~64歳まで)の間は、健康保険料と同じように、「標準報酬月額×介護保険料率」で計算されます。
基本的には特別な手続きは必要なく、健康保険料と合わせて毎月徴収されます。
介護保険料はいつまで支払う?
介護保険料の納付は、生涯続きます。
ただし、健康保険としては、介護保険の第1号被保険者となる、「満65歳に達したとき」から徴収されなくなります。
65歳以上になると、健康保険とは切り離され、お住まいの市区町村より介護保険料が徴収されることとなります。
つまり、社会保険料として給料から天引きされていた方は、65歳で給料から天引きされなくなるということです。
社会保険料の一部として納めているうちは特段意識していなかったものを、新たに「介護保険料」として納める必要があるため、納付書が来て慌てる方も多いようです。
介護保険を使うタイミングは?
介護保険では、介護が必要となったとき、市町村の認定を受けて、様々なサービスを受けることができます。
前述の通り、介護保険では、被保険者を年齢で2つに区分していますが、第1号被保険者(65歳以上)は、「要介護(要支援)認定」を受けたときに介護保険のサービスを受けることができます。介護が必要となった原因は問いません。
一方で、第2号被保険者(40歳以上65歳未満)は、「特定疾病」が原因で、「要介護(要支援)認定」を受けたときにのみ、介護保険のサービスを受けることができます。
介護保険サービスの自己負担割合は、「合計所得金額」と「65歳以上の世帯人数」に応じて、1割~3割のいずれかに設定され、所得に応じて毎年見直しが行われます。
介護保険を利用する際は、金額や申請方法など、市区町村に確認しておきましょう。