「さあ仕事を探そう！」と思い立ったとき、真っ先に浮ぶ選択肢は、派遣会社とハローワークではないでしょうか？
どちらも「仕事を紹介してもらう」という点において、同じように見えますが、両者の違いはどんなところにあるのでしょう？
希望の仕事を見つけるために役立つ、「派遣会社とハローワークの違い」を２回に分けてご紹介していきたいと思います。
そもそもハローワーク・派遣会社とは？
ハローワークは、正式名称を「公共職業安定所」と言い、就職支援・雇用促進のため厚生労働省が設置した行政機関です。ハローワークは全国に設置されており、簡単に言えば、求職者と企業の橋渡しのような役割をしています。
派遣会社は、「一般労働者派遣事業」にあたる民間企業です。求職者を派遣スタッフとして雇い、人材を必要としている企業に派遣します。民間企業が派遣法のもとで運営しています。
こういった概要だけでも、ハローワークと派遣には、様々な違いがあることがお分かりいただけると思います。では、そんな違いの中から、代表的なものとして、「雇用形態・雇用期間・求人数」についてくわしくご紹介していきます。
雇用形態の違いは？
ハローワークでは、企業と本人が雇用契約を結ぶ「直接雇用」となります。採用後は、給与の支払いや社会保険の手続きなども、全て企業と本人の間でやり取りされることになります。採用後にハローワークが関わることはほぼないと言っていいでしょう。
派遣は、派遣会社と本人が雇用契約を結びます。派遣先企業では派遣会社のスタッフとして働く、言わば「間接雇用」の形になります。給与の支払いや社会保険の手続きなどは、実際に働いている派遣先企業ではなく、派遣会社との間で行います。
そのため、就業後、派遣先でトラブルが起こった時や困ったことがあった場合は、派遣会社に相談し、フォローを受けることができます。
雇用期間の違いは？
ハローワークは、雇用期限のない「無期限雇用」の求人が多くあります。無期限雇用であれば、ひとつの会社に安定して長く務めることができます。
派遣会社は、一部の例外を除き、期限付きの「有期雇用」となります。現在の法律では、同一企業で働ける期間は最長で３年です。一般的には、3ヶ月や6ヶ月などの単位で契約を更新してくことになります。企業側の都合で契約更新がない場合もあれば、派遣社員側の事情で契約更新をしない選択もできます。
いずれの場合も、「派遣先企業との契約満了」のため、派遣会社の登録を解除しない限りは、新たな派遣先を紹介してもらうことができます。
求人数の違いは？
ハローワークは、時期的な増減や地域差はあるものの、様々な職種の幅広い求人を取り扱っています。派遣会社と比べると、桁違いに多くの求人を持っていると言えるでしょう。
その理由の一つとして、求人掲載料が無料であることが挙げられます。ハローワークには、良くも悪くも様々な企業の求人が集まります。
派遣会社は、会社規模により求人数が全く違います。ただ、どれだけの大手会社であっても、ハローワークより多くの求人を持っているわけではありません。
派遣会社は派遣社員の就業後も責任がありますので、信頼のおける企業や実績のある企業の求人のみを取り扱うケースが多いようです。扱う案件は少なくなりますが、いわゆる「ブラック企業」が紛れ込む可能性は低いと考えられます。
それぞれのメリット・デメリットは？
以上のハローワークと派遣の違いを踏まえて、それぞれのメリットをまとめてみました。ハローワークのメリットは派遣のデメリット、派遣のメリットはハローワークのデメリットと捉えることができます。
ハローワークのメリット
・「直接雇用」のため、長期的な安定した収入が期待できる
・「無期限雇用」の場合、契約期間を気にすることなく働くことができる
・取り扱っている求人数が多く、幅広い職種から選ぶことができる
派遣会社のメリット
・「間接雇用」のため、仕事を紹介してもらう時や、働き始めてから困ったことがあった場合は、派遣会社からフォローを受けることができる
・「有期雇用」のため、「仕事が合わない」「もっと別の仕事もしてみたい」と思った時は、雇用期間が終わったら、新たな仕事にチャレンジしやすい
・求人数は少ないものの、間に派遣会社が間に入っているため、「信頼できる求人」が多い
自分に合った仕事の探し方を見極めよう
派遣とハローワーク、それぞれの違いやメリットをご紹介してきましたが、まずはご自分が「どのような働き方を希望するか」を考えてみましょう。
ハローワークは、ひとつの会社に安定して長く務めたい方にオススメです。一方で、派遣会社は、ライフスタイルに合わせて働き方を変えていきたい方や、様々な職場で経験を積みたい方にオススメです。
派遣とハローワークの違いやメリット・デメリットを理解した上で、ご自分にはどちらが合っているか検討してみてくださいね。
