派遣社員に付きものなのが、「契約更新」です。
派遣では、ほとんどの場合、派遣会社と派遣社員が労働契約を結び、その契約期間ごとに定期的に契約を更新していく形を取っています。
必然的に契約更新の時期になると、派遣会社との間で、契約を更新するかどうかの話があるはずです。
しかし、ふと気づけば、「そういえば契約更新の確認をされていない」「契約が自動で更新されている?」なんてことはないでしょうか。
契約更新をしたくなかった方はもちろん、今の派遣先に満足して契約更新をしたかった方も、自分の意思を確認されないまま契約が更新されていたら、モヤモヤしてしまいますよね。
派遣会社は、契約を「自動更新」してもいいものなのでしょうか?
派遣の本来の契約更新の仕方もおさらいしながら、派遣契約の自動更新について、詳しく説明していきたいと思います。
派遣の「契約更新」とは?
まずは、派遣の契約更新についておさらいしておきたいと思います。
一般的に派遣では、契約更新の一ヶ月ほど前に、派遣会社との間で契約更新があるかどうかの話と、契約更新をするかどうかの意思確認が行われます。
派遣先の方から、「繁忙期が終わったから」「派遣社員のスキル不足」などの理由で、契約更新がない場合もあれば、派遣社員が、「別の仕事がしたい」「仕事が合わなかった」など自らの意思で、契約更新をしないこともできます。
契約の自動更新はアリ?ナシ?
では、そんな契約更新は、自動更新されてもいいのでしょうか?
結論から言うと、派遣契約の自動更新は、ほとんどの場合を除いて禁止されています。
なぜなら、一般的な派遣社員は、契約期間に定めがある、「有期雇用」という働き方をしていますが、契約期間が自動更新されるのであれば、「期間に定めがあるとは言えない」と見なされます。
つまり、自動更新がされる契約は、そもそも「派遣」と認められない場合もあるのです。
そして、何よりも前述の通り、派遣社員自身にも契約を更新するかどうかの意思決定をする権利があります。
例え結果的に問題がなくても、派遣会社が派遣社員の意思を確認せずに、契約を自動で更新してはいけません。
自動更新をする派遣会社の目的は?
もし、契約を自動更新している派遣会社があれば、その目的は、「派遣先から派遣料金をもらい続けること」や「更新する際の意思確認や書類作成の手間を省くこと」などが考えられます。
例えば、派遣社員にとっては誰も行きたがらない人気のない派遣先であっても、派遣会社にとっては、派遣料金をもらい続けて儲けになることもあります。契約更新の意思確認をすれば断られる可能性を考えて、勝手に自動更新をするケースがあります。
また、契約更新の際には、派遣会社は派遣会社一人一人に対して意思確認をしたり、雇用契約書を発行しなければなりません。場合によっては、社会保険や雇用保険の手続きも必要になってきます。そのような手間を省くため、契約を自動的に更新にしてしまうケースもあります。
派遣の契約自動更新に注意!
派遣だけに言えることではありませんが、雇用契約の時点では見えにくい職場環境や仕事内容があり、人間関係や必要スキルについては、働いてみて初めて分かることも多いものです。
派遣では、契約更新の手続きがあることで、自分にとって今の派遣先で働き続けることがいいのかどうかを改めて考える機会になります。
決して自動更新などにはせず、しっかりと自分の意思で契約更新をしていきましょう。